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今までの「アイ love 授業」…バックナンバー編


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2019・1学期

August



8・25
今年はウィーンを旅しました。
暑くないところで静養するつもりでした。
パリもそうでしたが、ウィーンも
やはり、ヨーロッパの中心地。
行く前は、たかをくくっていましたが、
やはり、その歴史と人々が魅かれた魅力は
今でも健在です。

シェンブルン宮殿は、ベルサイユと同じように、
とても広大で、夏の花々、特にバラの美しい宮殿でした。
第一次大戦のバック、オーストリア帝国の
皇太子暗殺も、悲劇の歴史として、
ある程度、ハプスブルグ家のイメージがつくようになりました。
オーストリア帝国は、第一次大戦で敗戦の憂き目を見て、
ほとんどその領土を失ってしまいましたが、
その後も、今でも、文化的なプライドと、
ヨーロッパ、いえ、世界中の人々を引き付ける魅力は
たくさんあるようです。

ウィーンの中心部に集まる世界中の人種に
びっくりします。
観光客としても、日本人はもちろん、中国人、韓国人、
団体で、或いは新婚旅行のカップルで・・・
団体客はアジアからばかりではなく、
スペイン語圏、ロシア語圏、様々です。
言葉がわかりませんから、多種多様。
個人や家族でバカンスを楽しんでいる外国人たちも
山のようにいます。

また、働いている方の人も、アフリカ系、アジア系、
イスラム系、中南米系?・・・。
EUが、今は人種のるつぼ、或いはサラダボウルになっています。

孤立主義に、将来はないのではないか?
人種の様々な家族が、アイスクリームを食べながら、
路上のパフォーマンスや演奏に聞きほれ、
拍手する様は、人々が平和を愛していることを、
そのまま、表しているように思います。

世界を旅すると、本当に心から勇気をもらって、
さて、世界の見える授業をしようと、
やる気が出てくるのです。

体重も蓄えたし、二学期も闘いが始まります。



8・20
日本と韓国との関係が
若い人たちにまで
影響を与えそうで心配です。

大切なのは、リーダーの態度。
思い出します。私でさえ・・・
私でさえ、自分が悪くなくても、
担任している子どもたちが悪さをすれば、
その責任を取り、頭を下げます。
そのことで、子どもたちは、
逆に自分のしたことを自覚します。

リーダーは責任を取るために存在すると言ってもいい。
自分が直接関係なくても、
そうするのが仕事です。
でも、今の日本の首相は、自分のメンツと、
自分の思想だけで態度を決めている。
大きな間違いでしょう。

もう解決済みな戦後補償の問題だから、
もしこれを認めれば22万人が申し出る
と恐れているということですが、
それだけの朝鮮の人々が日本に来ていた、
ということでもあります。

戦争中に、賃金を払わず、炭鉱で亡くなった方も
多いのに、どれだけの人が、来ていたか、
その調査すら、本気で行われていないのですから、
民政化がようやく進んできた韓国が、
戦中のことを明らかにしようとするのは
当然でしょう。今、やっとです。
軍政時代に、朴政権で言えるわけがありません。

そして、歴史の痛みは、一方的に、消せるものではありません。
それに、日本人全員が謝れと言っているのでもない。
リーダーの歴史認識が問われているのです。
謙虚さだけのことです。

日本の過去の歴史を、きちんと子どもたちに教えずに、
隠そうとするから、
今の時代のお金にまみれた政治の裏側も、
平気で隠せてしまうのです。

絶対に、日本が乗り越えなければならない、
植民地にした歴史の壁なのです。
どう取り繕っても、植民地にしたことは消えない。
満州や南の島々、台湾も、
自己正当化は、とても幼い論理だと思っています。



8・17
7月にあんなに今年委は雨だったのに、
関東は、台風が来ても雨が降りません。
大雨が降って、西日本の方には悪いのですが、
今年、稲の栽培と、綿の栽培をやっているので、
猛暑が続くと、気が気ではない・・・。

やっぱり、植物と動物は、
育てると、休みがないというのはその通り。

小学校で勤務した時に、
2度ほど観察池をつぶしてしまって
勝手に稲を作ってしまったけれど、
あの時は、田んぼだから楽でした。

でも、バケツ稲はすぐに干上がってしまう。
子どもたちの当番を決めればいいと言われましたが、
部活で忙しく、遠征・大会と、
出かける子どもたちに、頼めない・・・。
私も塩梅がよくわからないし・・・。
9月に、少しでも実れば、
穀物のことが教えられるかなあと、
稲は、本当に水やりが大変。
学校の立っている場所が、海沿いなので、
風がとてもひどい。

一方、台風が怖くて、校舎内の日当たりのいいところで
育てている綿花は、なんと、
初めて背の高さ以上に伸びてしまった。
花が咲いていますが、風も、虫も無いので、
私が虫の代わりに受粉させてあげています。
10月になったら、綿花畑みたいになりそうで
こちらは楽しみ。
でも、水も良く吸っています。校舎内だから、
こちらも雨が降っても水やりです。



8・12
本当に暑くて参りました。
山梨も今年は猛暑か?
それとも私の体がなまっていたのか?

でも、こんな暑さの中でも、
熱い討論!
研究会で盛り上がりました。
世代が違っても、
必ず直近の世代前の誰かが生き残り、
誰かが犠牲になり、戦中を生きて
そして私たちの人生があること・・・・
そのせいか、ほとんどの参加者、
老いも若きも、戦争はいけないと、
大人になるまでの間に思っていた・・・と。
みんながみんな、話しました。
きっかけは違うし、年齢も、
そう思い始めた経緯も違うけれど、
私は、これは、すばらしい日本人の
コンセンサスだと思っています。

抵抗運動を第二次世界大戦中に、やった国は、
戦争はいけない・・・とは、一般的には言えない。
でも、実際のところ、どんなに抵抗運動が輝かしくても、
どんなに戦争で勝ったとしても、
そのあとの、社会の後遺症は傷は深い。
国としては、抵抗運動については、
名誉、勲章、そういう価値を付けたがるけれど、
体に傷を負い、心にも負えば、
それは、取り返しのつかぬもの。
抵抗運動をしたくて始めたわけではない、
その責任は、日本にも、ドイツにも、イタリアにも、
合ったわけです。

ですから、どの国の国民に取ってみても、
国民の願いとして、平和を文句なく望むもの・・・
それを、日本は「戦争はどうやってもいけないもの」と
国民が考えてきたのは、財産だと思います。
世界に通用すると思います。
ただし、それは痛切な加害への痛みへの
共感があってこそ、
人の痛みに傲慢なのは、許されないと思います。



8・5
11日からの合宿研究会に向けて
レポートやプリントを作っています。
10日間で4つぐらい作るのが目標でしたが、
やっぱり1日8時間くらいかかります。

懸案だったたくさんの授業のポイントの
プリントをたくさん作るつもりでした。

今までの、何十年もやってきたたくさんの授業を
皆さんに紹介して、役立ててほしい。

とても快適に過ごしているのは
図書館の自習室です。
もともと釧路は日本一涼しいようですが、
自習室だと、さらに集中できます。
体にも優しい・・・。

他の方たちの様子を見ると、
若い人たちも、年配の方も
一生懸命本を読んだり、問題集を解いたり、
何時間も吸収に努めている。
でも、私は対照的だと思いました。

頭の中に、記憶として残されている
たくさんの授業の情報を、
この10日間で、吐き出している感じ。
書いても、書いても、
と言っても、パソコンなので、
打っても打っても・・・ですが、
まだまだ湧き出てくる感じです。

できたのは、
戦争について、合宿研究会で話し合うためのレポート。
人類の祖先の授業、
映画「シュリ」から学ぶ朝鮮半島の戦後の授業
縄文時代の授業
この4本。
1つずつが、15ページ以上あります。
これを合宿研究会で報告・討論します。

それだけ、時間をかけても、
まだまだあふれるように在るのは、
それだけ子どもたちが教えてくれたから、
そして、私が勉強したから、

だから、書いているのはとても楽しいです。


8・2
実は今、釧路に来てます。
話せば長いことながら、
日本で一番涼しいところを探し、
釧路にたどり着きました。

人間ドックで引っかかり、
春先に症状が出て、胆石の腹痛。
そのまま放置する人もいるけれど、
私は即、たんのう摘出を決断。
夏休みを待って、胆のうを取りました。
気持ち悪いことに、胆のうからは
石がザックザク。

同じ石仲間だけど、F・M君は大丈夫かなあ?
だんなはF君と同じ石の仲間ですが、
結婚以来症状は無し。
その石と違って、
胆石は、胆のうの中で動いちゃダメ、
出てきちゃダメの石らしい。

食事が良くないのかと、思ったら、
遺伝性と聞いて、ひと安心。
でも、祖父はそれが原因か、ガンで亡くなったらしい。
もう母も亡くなり、祖父のことを誰にも聞けないので、
わからないのですが・・・。
だから、早めにとってしまった方がいいだろうと。

内視鏡手術で3日で退院しましたが、
東京の暑さには耐えられないだろうと、
前もって、釧路で避暑をする計画でいました。
釧路は涼しくて、超快適。
体力温存にはいいです。

ビジネスホテルと、市の図書館の自習室との
毎日の往復。
だって、療養ですから、
無理して観光はしないことにしました。
30年ぶりの道東です。

この間、懸案事項の仕事をたくさんやることにして、
2日間で、指導案を完成。
2日間で合宿研究会の「戦争について」の
若い人たちとの意見交流に向けてのプリント完成、
だいぶ仕事が進みましたが、
なかなか頭を使うので、疲れ切り、
今日は、人類の祖先の授業に取りかかりました。

そうしたら、楽しくて、楽しくて絶好調。
なぜかというと、この授業は、私が大好きで
子どもたちも大好きで、ノリノリで、
そんな授業を思い出しながら、
プリントを作れるのは、最高に楽しいからです。

私が見も知らない、若い人が、
HPで見つけてくれて、
楽しい授業をしてくれるとしたら、
とても幸せですね。
顔も知らない若い先生たち、
まだ見ぬ中学生・小学生たちへの
ラブレターです。
楽しいな~~~~!


July


7・30
中学一年生に、生産国調べをやってもらいました。
全員で調べたら、1万件を超えました。
3年前もやったのですが、
まず、水筒から始めて、筆箱の中身、文房具
そして、家に帰ってから、或いはスーパーで・・・
そうしたら、一日イオンにいたとか、
夜中に宿題を思い出してやって、
冷蔵庫をいじっていたら、怒られたとか
家族の衣類をベッドの上に広げて調べたら、
何をしているのと、早く片づけなさいと言われたとか、
傑作な苦労話がたくさん。

それだけでなく驚いたのが、
3年前は生産国が、14か国だったものが、
現在の商品の生産国は、なんと60か国に増えていること。
例えば、ルーマニアやウクライナ、アイルランド、
マダガスカルから、何を輸入しているんでしょうか?
工業製品として・・・・????

それだけじゃなく心配なこと。
中国が1万品のうちの5000品以上を占めているのは驚きです。
なんと5237品が中国から。
日本が中国に、依存しているのは、当然なんだけど、
政治対立が、激しくなっているのは、困惑します。

それ以上に心配なのは、東南アジア。
ベトナムは第二位で938品。
韓国だって679品、そして、
インドネシア264品、マレーシア257品
フィリピン113品、カンボジア111品、インド84品
ミャンマー78品、バングラデシュ59品
これらは、現地企業と言っても、
中国との政治関係やら契約、人件費の高騰で、
中国から撤退し、東南アジアに進出した
日系企業が生産したものを、輸入しているものではないか・・・
そう思えるのです。

今から
30年前、私が学生から教師になりたての頃、
川崎製鉄が、公害問題対策にお金がかかると、
フィリピンに進出し、公害を輸出するなと問題になりました。
人件費が安いから、設備費もかからないし、
現地国は歓迎するから・・・・そのしわ寄せが、
各国の人々の地域に及ぼす影響が出ていないか・・・。
太平洋資料センターの活動が
公害輸出をストップさせようという活動でしたし、
アムネスティの活動報告を読んでいると、
第三世界の開発を進める現地の資本家や
多国籍企業との対立で
それに立ち向かう現地の運動家や市議会議員や弁護士が、
行方不明になったり、拷問を受けたり、
殺害されたり、・・・・そういう関係は
どこでも起こっています。

安い工業製品を買って、助かるけれど、
その背景にあるものが、私には見えなくて、
想像すると、背筋が凍るような・・・
そんな世界があるのではと、心配だし、事実だろうと
考えてしまうのです。

2学期には、スマホとレアメタルの関係を学びますから、
今も変わらずスーダンやコンゴの子どもたちは
常に飢えやレイプや子ども兵の恐怖に
おびえているのでしょう。
胸が苦しくなります。



7・29
中学1年生は、とても元気で、ノリが良くて、
キャアキャア騒ぐのが好き。
ふ~~~ん、なんて、冷めている子は少ないので、
暗記ものは、ゲーム感覚でやります。

都道府県名を覚えるのは、
京都の紙屋さんが出していた折り紙から製作した
必殺、自作:都道府県カルタ。

国名を覚える時は、地域ごとに、初級から2段まで
難易度を高めた地図を使って、各自に言わせます。

地域ごとの国名や地方ごとの都道府県は
ビンゴのマスを3×3に書いていって、
それに、子どもたちが書き込み、
私が勝手に言っていって、
ビンゴが一つでも成立したら立つ。
最後の一人が一つでも成立するまで、
何ビンゴでも続ける・・・最高は8まで。
繰り返してやると、国名も都道府県も覚えます。

各地域ごとの地名は、
アジア全域、
ヨーロッパとアフリカ、
南北アメリカ、
オセアニア
の山脈・川・高原・海などを、
11くらい、黒板に私が略図で書いて、あてていきます。
ミニテストと言っておきながら、見てもいい。
一列ずつ立たせて、前から言わせます。
ヒントで「○がつく」と言ったり、
周りが助け舟を出しても、最後は私が小さい声で言ってもOK。
記憶力が苦手な子には、簡単な問題。
そして、あとの方で当てます。
そうすれば、全員あてれば、3回は繰り返します。
その前に、練習と言って、全員で唱和させたら、
絶対ヒマラヤ山脈や、地中海、サハラ砂漠
などは覚えてくれるでしょう。

そして、他の事項は、ビデオで触れたり、物で体験したら、
必ず強調して、地図を確認したり、教科書の言葉を
確認したり、何度も、触れます。
そうすることで、覚えやすくなってくれるのです。
九九と同じ。唱えて、体を動かして、
みんなでやれば、覚えられます。



7・28
ようやく梅雨明けでしょうか。
明けたらあけたで、バケツ稲の干上がらないかと気がかり。
明日からは猛暑と言われますが、
どうでしょうか?

子どもたちの1学期の感想で、ふむふむと思ったものをご紹介。

「毎度楽しい授業で、学習を進める中での先生の言葉選びが
 的確で必要な知識がしっかり身についた」
 (言葉選びが的確というのが、自分でもよくわかります。
  しどろもどろにならずに、何をわかっておけばいいのか、
  確信をもって、わかりやすい言葉を使って・・・と
  ようやくできてきた気がします。そう言われてみると、
  とても上達しました。もちろん若い頃よりも)

「他の授業に比べて笑いも絶えないし、映画とかを見て学べるし、
 外国の場所を初めて知ったのに覚えられたし、
 自分の体でいろいろ体験したし(おいしいものを食べたり、
 楽器弾いたり、コブラクリームの匂いをかいだり)
 楽しく遊んでただけみたいだけど、
 知識が身についていて良いなと思いました。」
 (楽しく遊んでただけみたいだけど・・・というのが、
  理想の勉強と思います。ほめてもらってうれしいです。)

「世界の社会的な疑問をビデオや実物を通して、
 答えを見つけることができた。
 これからは、映画をただ見るだけではなく、
 その場面、場面が社会に関係してくるか常に考えながら見たい」
 (何か彼なりに疑問に思っていたことが、
  答えが見つかったのでしょうか
  予想以上に評価をしてくれている感じで、
  期待がとても怖いような・・・)

「体験することが多くて、体験したことを全部思い出せます。
 体験するって大切なんだな~と改めて感じました!」
 (これを、社会科の先生たちに、聞かせてあげたい。)

「やっぱり、勉強は、実際に食べたり見たりしないと
 良い成績は取れないなと思いました。」
(食べたり見たり…という点がすごくユニークな論理思考)

「最初先生が ”私の授業で社会が好きになった人が多い”と
 言っていたのが、”自分の社会嫌いにはかなわないだろう”と
 思っていたのが、ばかばかしく感じて、
 前よりも社会の授業が、自分もみんなも
 楽しみにしていたから、すごいと思った。」
 (かなわないだろう➡ばかばかしく感じて・・・
  というのが、とても率直で、うれしい感想でした。)



7・23
いつまでも梅雨が明けない曇り空と雨。
気がかりは、バケツ稲と綿花。

しかし、いつも強風に悩まされるので、
綿花は室内で、陽の当たるところにおいて、
育てています。

綿花を10回近く育てて、初めて気が付いたこと。
初めの双葉が出てきた時、
いつも葉っぱが縮れていたり、ちぎれていたりしていたので、
ナメクジに食べられちゃうんだと思っていたら、
違うようです。
もう、スタートの種の中で、そういうふうに育てられてしまったせいで、
初めから縮れていたり、ちぎれていたりする双葉らしい・・・。

本葉の葉っぱも、縮れていたりするけれど、
それも、種の中であったらしいですね。
4階なので、虫も来ないし、強風や台風で倒れることもないし・・・
少しヒョロヒョロした苗ではありますが、
いつも悩む、綿花の葉っぱを巻き込む
芋虫の発生も抑えられそうです。
水やりもうまくいくでしょうか

今年は、他の人たちにも頼んで、水やりをやってもらうことにしました。

選挙とかニュースとか・・・社会科の教師なのに、もう、期待は持てない。
広河隆一氏の犯罪行為も、とてもショックでした。
でも、日本の男は、そういう思考回路なのかもしれないと
とてもよく思います。日本の女性は我慢してるだけなのを知らない男性。

どこの国でも、自分だけ生き残ろうと、誹謗中傷を繰り返し、
利害を追い求めるものを是とする生き方の見本が政治家。

チャペス大統領が死に、石油暴落から、アメリカの介入を防ごうと、
援助物資を拒むベネズエラ、再び中米がアメリカの前庭になるの?
自国ジャーナリストを自国大使館で斬殺してしまうサウジアラビアを
支援してしまうアメリカ、
アルジャジーラのカタールは孤立し、イエメン内戦では
女性と子どもたちが、飢えと空襲に絶望している。

日本では、戦争中の行為を否定しようとする政権側や
対抗措置を要望する企業とか、
戦後は何だったんだろうと、戦争から学んだのは誰なのかと。

でも思います。
飛ぶ教室のエーリッヒケストナーは、ヒトラーのドイツにとどまり、
自分の本を焚書されるのも見ていながら耐えた。
マンデラは、何度希望を失っただろうか、

世界中の中で飢えと暴力で泣く子供が一人もいない世界なんて
私の生きている間にあり得ないけれども、それでも耐えて希望を伝えたい。



7・15
子どもたちには、長い長い前置きのあと、
熱帯地方のベトナムの大蛇、コブラクリームを見せます。

まず、ベトナムへ行った当時、小学5年生を受け持っていました。
かわいい子どもたちに、少しでも、
ベトナムにちなんだものをと、
大感激したドリアンを食べさせてあげたいと思いました。
今ほど有名ではなかった、30年前です。
もちろん、日本にドリアンは持って帰れません。

ねっとりした感触、匂いは私は気になりません。
アイスクリームのような味と舌触り。
こんなにおいしい果物があるのかと驚きました。

ホテルには持ちこめないと聞いたので、
旅の途中何度か食べました。
それを、子どもたちにも…と考え、
銀座の高野フルーツで4000円のドリアンを買って、
意気揚々と教室へ。子どもたちの気持ちも最高潮・・・
それなのに、なんと、ドリアンを袋から出したとたんに・・・
全員が廊下に逃げ出してしまいました。
先生!早くしまって・・・!!!匂いが耐えられない・・・
涙を呑んで、一人寂しくアパートでドリアンを食べました。
せっかく高野まで行って買ってきたのに、…残念。

さて、コブラクリームは、コブラセンターでガイドさんに言われ、
筋肉痛にもなんにでも効くとして、
購入を勧められた物。
でも、全然、乗り気じゃありませんでした。
そこで、ドリアンのあと思い出したのが、コブラクリーム。
でも、あんなに反響が大きかったから、
まず、アパートで、一人、自分に試してみようと、
コブラクリームを部屋で塗ってみたのです・・・。
そうしたら、もう、大変なことになりました。
あんなに驚いたことはありません。

塗ったあと、しばらくすると、
その部分が、カァーっと、熱くなって、熱くなって・・・
それだけじゃなく、塗った匂いたるや、それこそヘビの匂い。
ああ、ヘビってこういう匂いだったなあと思う匂いが、
体中に広がっていく感じ。
まるで、私自身がヘビ女になったように・・・・
強烈なにおいすぎて、…アパート中がヘビのすみかのよう。
それを、石鹸で何度洗っても、落ちない強烈さ・・・。。
熱くなることといい、その匂いといい、これは、
ドリアンよりも騒ぎになるだろうと、小学生には断念しました。

そして、放置して、20年以上たって思い出して
そのコブラクリームを取りだしてみたら、・・・
そして塗ってみたら、・・・・
それほど熱くならないし、それほどの匂いではない・・・。

なので、中学生にはぴったり!!
ベトナム、熱帯、…を教えるにはとてもいい教材になってくれました。
20年寝かしたせいですね。
強制ではなく、塗ってみたい人に、
手の甲に、ほんのほんのちょっぴり、付けてあげます。
もう、何か、メンタムのようなにおいしかしないような気もするのですが、
ヘビの匂いも、0,00002g入っているので、残っているような気がする。
まだ、3本残っているので、
私が300歳くらいまで使えそうなほど、
コブラクリームが残っています。

教室中、匂いが広がり、キャーキャー。
子どもたちは、大喜びでした。
家族に付けてあげたいからもっとぬってとか、・・・
いろいろ楽しんで、授業は終わりました。


7・14
1学期、最後の授業では、
すっかり忘れていた私の宝物を、
子どもたちに見せました。
「コブラクリーム」

30年前に、白井さんと行ったベトナム。
ベトナム戦争のあとがまだ、生々しく残っていて
街道沿いには、戦車などの残骸がありました。
ホーチミン市も、市場は、もう日本の戦後のようで、
その裏側の通りは、糞尿の匂いにびっくりしましたが、
白井さんからは、東京の戦後はこうだったと、
たしなめられました。
街を歩いていると、周りに付きまとう孤児たち、
私は、すぐに、あっち行ってと、怒鳴れるのに、
白井さんは怒鳴れず・・・
それを見越して、小さな女の子が、
ずっと付きまとっていたのを、
少し胸が痛くなりながら、よく覚えて言います。
その幼い女の子は、白井さんの手を握ろうと、
後ろから手を出して、ずっとついていました。

ガイドさんは若い男性で、
まだ社会主義が強固で、勝手にベトナム国内を
旅行できる状態ではなかったため、
必ずガイド・運転手付きの旅行でしたが、
そのガイドさんが車内で、さだまさしの曲をかけ、
上昇志向丸出しなのが、ちょっと、辟易していました。

激戦地、地下の迷路のような基地、見て回って、
旅の最後、白井さんは大嫌いだから行きたくないと言ったのが、
コブラセンターでした。
頼んでもいないのに、絶対行きましょうと言われ、
メコン川の一番下流に、船で行きました。
大蛇、4匹が、それぞれ深さ5mくらいの
コンクリートの穴に、飼われていました。
そのうち1匹を飼育員が取り出してくれて、
触らせてくれました。
ざらざらと、冷たくて、ずっしり重い感覚。
たったしっぽを持っただけなのに、・・・。

その時、他の飼育員があっと声を上げ、
コブラにかまれたらしい・・・
10秒もしないうちから、腕が丸太のようにはれ上がり、
私たちは、震え上がっているのに、
ガイドさんは「あんなの大したことないです、
この間は、太ももまで飲み込まれそうになったのを、
みんなで引っ張りだしましたから・・・」
冗談にならない話を笑顔でして、
十分十分怖がらせられました。

そのコブラセンターのお土産が、
コブラクリームだったのです。
では、この続きはまた、・・・。





7・13
とても大きな発見をしました。
でも、よく考えてみれば
当たり前のことかもしれません。

子どもたちは、食べたら絶対覚えている。
そして、映像でも、自然だけや産業だけの
映像では、覚えられないけれど、
人間が出てくれば、必ず覚えている。
そして、子どもが出てくれば、なおさら覚えている。

アルプス山脈の映像で、
「世界遺産」の番組、氷河を見ましたが、
中で、スイスの人々のチーズが出てきました。
それをお母さんと一緒に作っている子どもたち。
ここで、子どもたちにぐっとアルプスが近づきます。

サウンドオブミュージックも、28分だけ見ています。
日本からは遠い遠いアルプスですから、・・ぜひ感じて欲しい。
最初のスタート場面のアルプスの氷河や山河、高原。
子どもたちがドレミの歌を歌う場面はアルプスの高原地帯。
人形劇は民謡のヨーデル、そして羊飼いたちが登場。
そして、アルプスに花咲く「エーデルワイス」
最後にアメリカに逃亡する時に「アルプス山脈を超えていく場面」。

世界の記憶遺産と言ってもいいほどの名画
サウンドオブミュージック。
誰もが知っているドレミの歌に、エーデルワイス・・・。
中でも、ドレミの歌と映像がすばらしい。ワンダフル!!
歌を知らない子どもたちに、音楽を教えるレッスンを歌にした物。
音階からメロディー、そして詩・・・
よくぞこんな歌を作ってくれたと、
ロジャース=ハマースタインに大感謝。
映像も、草原から、石畳の街道、馬車、
そして自転車ロード、庭園、美しいザルツブルグの町。
何回も何回も中1の子どもたちと見ても、
全く飽きません。

どの子も、一人残らず、口をあんぐり開けて、
ジュリーアンドリュースの歌声と美しいアルプス。
子どもたちのかわいらしい演技に見とれてしまっています。

私が、小学校高学年のころ、有楽町のみゆき座に、
家族で見に行った名画…よく覚えています。
その後も、何度も見に行き、
母は、大好きで、サントラ盤を、毎日毎日延々とかけていました。
私は、ですから、英語がわからずに、
それでも、全部セリフ付きでおぼえてしまったくらい・・・。

子どもが出てきて、楽しい映像で、
それで、その地域の文化や景観、人々の生活まで、
覚えられるとしたら、…こんなに天国の勉強はないでしょう?

子どもたちも、1学期の最後の感想に、
べた褒めでした。
どうしてこうした授業がいいか、論文っぽく分析する子も・・・
改めてそうか、ふ~~んと思います。
2学期も期待しています。自分もがんばります。…だそうです。

私も、まるで魔法使いのように、
授業を楽しんでいます。
35年間? 修業を積んできてよかった!!



7・7
今日は七夕でも、あいにくの雨。
でも、私は、雨の日は好きです。

さて、とにかくやんちゃな子たちが多い私のクラス、
授業をやっている私より先に話し出す子どもたちに、
私が話し中はしゃべっちゃダメ、
私が話していて、まだ「。」にならないうちは
(つまり句点になるまでは)
しゃべらないように、と何度言っても、
まるで私と一対一で
会話しているように答える男子たちですが。

彼らの明るさと、ユーモアが、
必ずクラスの雰囲気を明るくしてくれています。

私に突然、給食中、A君が、
「先生、明日、ディズニー行きましょう」
みんな、ポカーンとして、私もデートのお誘い・・・???
そうしたらB君が
「だめだよ、歩き回ったら疲れちゃうし・・・」
C君が
「ジェットコースターも、目が回っちゃうし・・・」
…いたわると見せかけて、年だとからかいたいらしい・・・
私も思わず笑いましたが、女子がくすくすと笑ってます。
私はちゃんとわきまえて
「だれだ!、笑ってる女子は・・・」
と楽しく給食を食べました。

ある日、テレビ台を毎日毎時間運んでいる私に、
B君が「先生のランボルギーニ」と呼びました。
まあ、授業で大事なパートナーのテレビ台!
その大事さを表現してくれて、
ありがとう!!…確かにランボルギーニかな?
B君のこういったところがおもしろい。

単純にB君「血が出ちゃった!」赤い指先と
ティッシュの赤いのを見せて。
私が「エッ、保健室に行ってらっしゃい」というと
「ほらっ」とマジックを見せる。

いたずらとユーモア好きな男子たちです。
憎めないし、かわいいですね。



7・6
先週、映画「新聞記者」を見ました。
評判通り、新聞記者が政権の闇を
暴いていく話です。

何より、二つ。
内閣情報調査室で、引きこもりの人たちを雇って、
ネットの書き込みをさせているという設定。
デマを拡散し、炎上させたりして、
相手陣営を攻撃し、真実をそうでないと感じさせるように操作している。
政府がです・・・霞が関の中心で・・です。
超エリートが、そんな仕事をさせられている、
なんとあさましい行為、でも、さもありなんと思わせられます。

ジャーナリスト志望のレイプされた女性を貶める噂を広め、
野党とさも関係あるような図を拡散させたり、・・・
ああ、そうかもしれないと思わせる怖さがありました。

もう一つは、忖度と勇気。
上映館がなんと東京で1館しかないという、あまりにもひどい忖度?
それでも、この映画を同時進行の程度の速度差で、
映画化し、参院選前の今に上映する勇気。
これを作ろうとして、上映しようとして、
タッグを組む若い人たちの勇気と行動力。
2週間で作ってしまうのですから・・・・。
さて、ネット検索したら、
上映館が増えていました。さすが、観客の力です。
でも、テレビで一切宣伝のない不思議、やっぱり抗わなければ。

若い人たちの意気込みのように
ここに未来があるように思います。
私もがんばらなくちゃと、こういう人たちに勇気をもらいます。



7・5
授業参観で、でも、いつも通りにやっていました。
ちょうど、そういう授業だったサイクルで
まず、みんなに蚕を見せ、
桑の実ジャムを、フランスパンにちょこっとのせて
ごちそうして、
そのあと、スラムドッグミリオネアを途中まで見せて、
最後に、前回言い忘れたボルネオ島の開発、
パーム油のプランテーションが増えているために、
森を失ったオランウータンが
焼け死んだり、孤児のオランウータンが増えて
赤ちゃんのオランウータンの森の学校ができていること…の話。
これが、たまらなくかわいい
オランウータンの赤ちゃんたちの写真と、
焼け死んだ大人のオランウータンの写真と、
衝撃的なのですが・・・
・・・・・・・・・・・・
保護者の感想が寄せられたらしいが、
授業の内容が独特でビックリ!!だそうでした。

保護者向けにわかりやすくしなかったので、それは当然でしょうね。

今学校はオープンスクールと言って、
月1回、午前中全部を開放するので、
見せる授業を考えられません。つまり、普段通りにしないと、
進み具合が遅くなってしまうから、…
だから、わからなくてもしょうがない。
だからビックリでしょうね。



June



6・30
3か月たって、少し落ち着いてきた気がします。
クラスです。
相変わらず、珍妙な事件がよく起きて、
説教、呼び出し…の連続ですが・・・。
クラスが、家族のようになって来つつあります。

その例が、合唱祭の選曲。
私は、ちょっと、がっかりしているのですが、
子どもたちは、絶好調。

いったん決まった曲を、男子がいちゃもんを付けて
ひっくり返しました。
その決め方が、どうも、
声の大きな男子が主張したように思えて、(音楽の時間なので)
時間をじっくりかけて、もう一度決めることにしました。
それぞれ、一晩考え、自分の推薦する曲を
その理由とともに、紙に書いてくる。
決して、同調圧力をかけない・・・、
つまり子どもには、「なあ、この曲がいいよなあ」なんて、
プレッシャーかけてはいけないし、
ラインなんかで、情報を回すようなこともいけない、
自分の考えを書いてくるんだよ・・・と。

そうしたら、傑作の推薦理由が多数。
メロディ―ラインがきれいな曲と、
もう一つは、元気な曲。
元気な曲の名前は「怪獣のバラード」
確かに、嫌いな曲では私はないけれど、・・・
昔私が夢中になったステージ101の曲ですが、
勢いだけで歌いそうになったり、
覚えやすいから飽きてしまうと思って・・・。

そうしたら、女子の多数が
「うちのクラスに合っている」
一人の子は、こう書いていました。
「歌詞の中に
”海が見たい、人を愛したい、
 怪獣にも心はあるのさ”とあるのが、
 クラスの○○くんと○○くんが言っているようで
 ちょっとせつない歌詞で合っていると思う」
それをみんなの前で読み上げました。
私も笑いながら・・・
そうしたら、当の本人が、「いいこと言うじゃん」
えっ・・認めちゃうの?・・・爆笑でした。

さて、怪獣のバラードで、当の本人たちが
心はあるのさのところを、ソロで歌ったら、
大受けだなあなどと思いながら、
どうやって鍛えようかと、思案中です。
でも、二学期の後半が、合唱祭なんですよね。
まだまだ、時間がありますね。

たいていのことは、クラスの前でしゃべって
明らかにしてしまいます。
この間、クラスで困っていること…というアンケートを取りました。
小さいことでも解決しないと、
嫌な気持ちでいるクラスメートがいることが、ダメだからと言って。
そうしたら、Aくんに、こうされた、
Bくんがこういうことを言っていた・・・。
Cくんが片付けないので困っている
でも、中には、1通ずつ、
○○君へのみんなの注意の仕方が強すぎる。
○○くんにいうみんなの言い方が、ちょっと
いじめに近いような感じがして、気になる・・・
それも読み上げました。
みんな、わかっていることなので、
共通認識を作るためです。

そうしたら、C君は毎日、片付けてから
帰るようになりました。
そして、A君は「僕にも数少ない味方がいてくれて
ありがたい」とつぶやいていました。
責めるのではなく、
みんなが気持ちよく過ごせるように、
そして私も言いました。
「みんなが困っているのはわかっているけど、
 A君のかまってほしい、B君のしゃべらずにはいられない、
 C君の片づけが苦手、これは、くせだから、そんなにすぐには、
 変わらないけれど、そのままではいいとは思わないから、
 根気強く、言っていこうね。
 本人も治さないと…と思わないとだめだよ」
そうやって、お互いに、教室で一緒に暮らす
クラスメートとして、そういう人だと理解し、
でも、あきらめずにより良い関係を作っていこうとする、
…そんなにきれいではないですが、
覚悟を決めて付きあうということです。
家族のように・・・・そう思います。



6・29
スラムドッグ&ミリオネアを
子どもたちと見ています。
アビタブ・バッチャンに憧れて、
トイレを脱出するジャマールに、中1の子どもたちは
感情移入と、かっこよさを感じます。
特に男子。
どこのクラスでも大騒ぎ。

でも、子どもたちに1時間半ほどに編集した
映画を見せながら、いつも私は、
「なぜ見せてるの?」そう、自分に問いかけています。
そして、それを子どもたちに直接、説明する時もあります。

圧倒的に、インドの匂いや風や猥雑さも含めて
子どもたちに伝わると思うからです。
不思議の国、インドが大好きですが、
その不思議さが、伝わると思うし、
インドの人々への敬意も少し伝わるだろうと思うからです。

過酷な環境下でも、子どもたちでも生き延びようとする
ジャマールとラティカたち・・・。
愛情も、お金も、生活も、庇護もままならず、
逆に、社会に全てを奪い去られかねない状況下でも、
何とか、生き延びて、さらに、求めるものを得ようとする
彼らの姿に、胸を打たれるはずです。

この後も、世界の状況を知れば知るほど、
矛盾を感じぜずにはいられない中学生、世界地理の内容です。
矛盾がない内容なら、薄っぺらな内容なら、
教科書をただ読むだけで良い・・・・
それでは、世界が良くなるための社会科にはならない。

そのための第一歩の共感を呼ぶ勉強として、
スラムドッグは、私にとっては宝物の教材です。

映画を作ったのは、ヨーロッパ人、
俳優も一人はハーフ、
それでも、監督は、原作に敬意を持っているからこそ、
面白い映画として成功したのだと思います。

原作を先に読んでいましたので、
違いに唖然とする部分はありましたが、
原作は、あまりに悲しくて、胸が締め付けられ
泣いてしまいました。
これを、平和な日本の中学生が全部受け止めるには、
とても無理。序走がいるのです。

何と言っても、何と言っても、
少年時代のジャマールが大好き。
いつでも、何のドラマでも、
子役に、私はハートを射止められてしまうのでした。



6・28
今、勉強しているのはまだ、アジア。
教科書を見ていると、
歴史と同じで、その内容の薄さに驚きます。
とにかく網羅することで精いっぱい。
東アジアでは、韓国は触れられていません。

◆アジアの気候と自然
ヒマラヤ山脈、高原地帯と平原、大河のいくつか、あらゆる気候帯
◆東アジア
中国の「世界の工場」・「世界の市場」と、
環境問題、一人っ子政策、経済特区、米作と畑作のみ。
◆東南アジア
工業の発展、アセアン、プランテーション、工業団地
◆南アジア
米・小麦・綿花・お茶の栽培と、ICT産業で発展中のインド
◆西アジア・中央アジア
エネルギー資源の豊富で、発展中の国々

これを、全部で、6時間で教えるのです。
詰め込んで、説明して終わり、
具体的なイメージのつかむべくもなく、
そこで暮らす人々への共感も連帯も、敬意も持ちようのない・・・
そう、味気ないのが教科書です。
それを補うのが資料集ですが、写真を見て、ああ、そうか・・・。

すでに、私は、東アジアと東南アジア、南アジアで16時間を費やしています。
なぜか、子どもたちが言っていた。

そこに住む人々の考えや状況は、教科書には出ていない。
背景も出ていない。
資料集でもわからない。
それは、伝えようとしなければ伝わらない。
そういうものです。




6・21
中学三年生に自信をもらった私は、
ことあるごとに、社会科の基礎。

例えば、今の季節しかできない、蚕を見せます。
蚕は、6月上旬にまず、ちびちゃんを見せました。
5月下旬に卵から生まれたものの、
まだ、数ミリの蚕は、通勤途中で
死んでしまったら大変。
3㎝くらいになって、学校に持っていきました。

市の南部に位置する学校の子どもたちは、
家の外や中で見る虫は、ゴキブリだけのようなもの。
埋め立て地区なので、とにかく木がない。
草もない。
だから、ハエもいないし蚊もいない、ハチもいない。
だから、教室に、ハエ1匹入ってきただけで、
昨日も授業、中断しました。
窓から追い出すと、「すごい」の声。
(ほめてくれるのです)
だから、蚕にさわれない子たちが半分はいますし、
それどころか、1m以内に近寄れない子も数名います。

だから、見せるまでが大変。
「天の虫」
中国で家畜となった虫、
他の家畜と同じで、人間のためだけに生きている虫。
人間がいないと死んでしまう虫
しかも、飛べない、卵を産むと死んでしまう。
ほとんど、さなぎのまま殺されて使われる虫。
それを、日本は縄文時代の昔から、
中国では飼って絹織物にしていました。
エサは、桑だけ。それ以外は食べられない。
今、どれだけ大金持ちになっても、着る物の最高は絹織物。
そう言って、ウィリアム王子の結婚式の時の
キャサリン妃のウェディングドレスを見せます。4400万円。
そして、皇后さまが皇居で蚕を飼っている時の写真も。
日本では、天皇の仕事は稲作で、皇后の仕事は、蚕の飼育。
そのくらい大事で貴重なもの。
写真のキャプションには、皇居で作られた絹で
愛子さんの産着が作られたし、
外国からの賓客にも贈られたそうです。

・・・・・・・・・・・というのが前置き。
6月中旬には6.5㎝になり、
テスト期間中に、あっという間に繭になってしまいました。
それを見た子どもたちは「ああっ」
という、大きな驚きの声、
さらに、桑と蚕を忘れないように、
今年は大サービス。
博物館の近辺で売っていた桑の実ジャムを
1つ500円、2ビン購入。
小さな小さな切ったフランスパンに、
小さじ1/5くらい付けてあげて、試食です。
ほんのちょっとだけ、アレルギーもあるし、
食中毒も心配だから。

これで、桑と蚕を忘れないでしょう。
皇后が蚕の世話をしている写真も載せましょうね。








6・18
中一の男子は「かまってちょうだい」の男の子多数。
そういう男子は、女子によれば、
「かまちょ」と呼ぶそうですが、よくわかります。

果たしてわがクラスにも
よくちょっかいを出す男の子がいます。
それに比べて大人びた女子。
男の子は、掃除をやらなかったり、整理整頓が苦手だったりして、
女子に注意されます。
そのお返しに、男子が女子の肩をバチン…
よくあることですね。
女子も追いかけていって仕返しにバチン。

或いは、黒板を掃除中、誰がやるかで
男子同士で、黒板消しを奪い合い、お腹にパンチ。

横の席の子の筆箱の中を勝手にいじって、
シャープペンを分解して壊してしまって・・・・
「先生、○○くんが、私のシャープペンを壊しました」
これが、毎日3件くらいあります。

そう言えば、3年前は
男子の一番大事なところを、友達だからと、
ふざけて、いつも握ってケガさせて、謝罪した件があったし、
6年前には、ふざけてクラスメートの首をしめ
赤い跡がついてしまい、お宅をその本人を引き連れて、
謝罪しに行った件がありましたね・・・・。
中一というのは、ほんとうに、
先祖返りした幼い集団の男子多数で手がかかります。
しょうもない事件が山と毎日起こり、
それを適当に処理していると、
先生は頼りにならない・・・と子どもたちは文句を言います。

もう一つは、手が出てしまうのと友達の文房具をいじる子が
このままでは、その幼さに孤立してしまうので、
仕方ない・・・お母さんに了解を取って
おかわりなしと通告。

そうしたらスープの中の白玉を
じっと見つめて
10分たたずむ彼。
ご飯の入った食缶を、私と握って引っ張り合う。
その様子をクラスの子たちは
固唾をのんで、しかも含み笑いをしながら
どっちが勝つかと見ている様子。
「私は、これは笑う場面じゃない」と、一喝。

そんな時は、敗けられません、絶対に。
しかも、中一のクラスの男子が、
私の指導が「あまいよ」とつぶやく声も
最初のうちは、3~4人から聞こえてきて、
小学校の先生にも、そういうことを言ってたのかと
思います。
「ベテラン教員に、そのやり方を批判するようなこと、
許されると思っているのか」とカツを入れました。
(ちょっと大人げないのですが、ここは、演技で)
その手前、敗けられないのです。
最初の出会いが大事、
そして、粘り強く指導し続けること。
みんながある程度納得すること・・・・
そういうことを持続しながら、考えるので、
毎日体力要ります。
白玉事件とご飯事件でした。




6・17
中学一年生は、先祖返りというのか、
本当に幼さが、逆戻りします。
小学校の先生から引き継ぎで
とてもリーダーシップに優れた子どもだと
聞いていたとしても、それは、よく期待外れで終わります。

理由はよく考えてみると二つあるようですよ。
一つは、5~6年生、2年間の安定した
クラスの友人関係で、子どもたちは最上級生としての
仕事をしようとがんばっていたのに、
中学校では、先輩後輩の中で、
圧倒的に力のない存在になり、
それなら、いたずらの方がいいや・・・と
その楽しさに戻ること。

もう一つは、いくつかの小学校から、
子どもたちが集まってくるので、
相手がどういう子かも知らずに、
際限ない遊びや調子に乗る行為に
歯止めはかからないし、力関係を確定しようと
様子を見て、試していること。

そのために、何と男子のケンカが多いことでしょう。
それは、どこの中学校でも一緒のはずです。

5月を過ぎて、猫をかぶっていた…そんな無理も
できなくなり、様々な小事件、珍事件が起きています。
私のクラスでは、珍妙なバトルが・・・・。



6・16
まだ、咳喘息が治りません。
一番困るのが電車の通勤です。
深い咳が止まらなくなると、
涙が出るほど・・・。
電車には1時間弱で1回乗換
2本に90分ほど乗ります。
咳をし始めると、さあっと周りの
席の人たちが移動し始めます。
私も、やりかねませんが、(年寄で風邪をうつされたくないから)
若い人たちも、どんどんいなくなり、
私の立つ瀬が無くなり、とても居心地の悪いことに・・・。
止まらない咳が出ないようにと、
いつも(咳喘息が、風邪のあとの習慣になってしまった)
のど飴やガム、飲み物を用意して
乗車するのですが、いったん出始めると
止まらなくて、周りの人の視線が気になります。
さらに、以前は、虫歯もできてしまって、・・・。
吸入薬が欠かせなくなりました。

教員をやっている方は、
いつも、咳を注意した方がいいです
若い時に放置しておくと、
このように、咳喘息というのになりますし、
声が商売なので、
とても酷使していて、
そのせいで、気管支も弱くなっているのだと思います。



6・6
5月は二度も39度近い高熱を出し、
その後遺症で、咳喘息が3週間続き、
へろへろでした。
とにかく咳き込む。
夜は、咳でほとんど眠れない。
吸入をしても、薬を服用しても
全然おさまらず、
しまいには、だるさと食欲まで失せて、
体重減少・・・。
何を食べてもおいしくない、
大好きな揚げ物さえ、見るのもイヤ、
そんな自分が大病かと疑うほど・・・
体を引きずって学校に通っていました。
でも、今は体調戻りつつあります。

それでも、体育祭を終え、
授業は続くよどこまでも。

中学校1年生の世界地理。
とてもいい番組を子どもたちに見せています。
中国・雲南省の世界一の棚田。
1550段もある棚田。
田んぼに行くまで1時間、
稲刈りして40キロの米を担いで村まで2時間の昇り。
でも、その作業や考え方や
自然循環の様子。
村人たちの何気ない言葉の数々が、
中1の子どもたちさえ感動させます。
揺さぶられる当たり前の言葉、
子どもたちの顔を見ながら、
この番組と出会えた幸せを感じます。
続きは、また明日。

今年は、大変そうですが、
バケツ稲40個、綿花プランター15個を
栽培しています。
植物栽培には不適な、海風の強い学校。
さて、どのくらいうまくいくか、とても心配です。



May



5・1
研究会では、会のずっと話題となってきた、
ものつくりと社会認識の関係について、
私は報告しました。
久津見さんが始めた「ものつくり」は、
評価が目的ではなく、
その生産の過程を体験してその後の理解を深めるためのもの。
だからこそ、全員が楽しみ、
おもしろいと感じる体験にするために、
私たち教員は準備万端に向けて努力します。

そして、子どもたちは、平等に、
誰もが、楽しみ、わかると言う。
だから、ものつくりは、とても平等な体験。
言葉や概念のように、
頭で分かると思う優等生たちだけのものではない。
その平等なところが、
とても優れているところだと思いますし、
そういう意味付けがあると、提案しました。
30年来の白井さんの課題を、
ようやく、私自身で、解決できたように思いました。
たくさんの卒業生たちの感想が、そう答えてくれていました。
右の、三年間の感想のページを、どうぞ開いてください。



April



4・30
研究会で、山梨の博物館に来ています。
昨日、研究会を終え、
残った3人の広島の先生たちと、
教具づくりをしました。
まず、重要な絵や写真をポスター印刷して、拡大する方法。
例として、はにわを15㎝に拡大する方法。
はにわの写真を二分割、それをB5のサイズで、
16枚に拡大して印刷してくれます。
若い先生もベテランも、はにわが155㎝とは、
初めて知るようでびっくり!!!
今年の冬の歴史の授業でしょうか?

あとは、高機で、3時間織りに専念してもらいました。
先生が楽しみ、熟練しなければ、
わからないし、教えられない。

あとは、世界地理の1年生の先生は、
栽培植物の起源の世界地図を、
カラーで自主制作。
歴史の3年の先生は、
近現代の戦死者のグラフを作っていました。

教具を作っていると、論争している時より、
みんな笑顔になって、楽しそうになります。
当たり前です。教師だから、子どもたちの顔が
思い浮かぶ・・・連休明けが楽しみになります。

ああ、あともう一つ、
三人さま、高機3台お買い上げ!!
新幹線で、折り畳み式高機を各自1台、計3台持ち帰ります。
強引に私の売り込み。
でも、何度も毎年博物館に来られるとは限らない、
だから、一期一会で、自分の教具として、
高機を育ててもらいたい・・・。
でも、JR駅をエレベーターで昇っていく
三人は、楽しそうでした。
それまで、持てないんじゃないか、…初めはとんでもないという顔、
ホントに持ち帰るの?…・疑心暗鬼
しょうがない、持ち帰らないといけないのか…あきらめ
でも、最後には、珍道中をみんなで想像して、
笑顔と、大笑いが止まりませんでした。
とても、楽しくて笑いが止まらないエピソードになるでしょう。
広島で、三人で、協力し合えば、
奈良時代の調の話も、産業革命の織機の進化も
鬼に金棒ですよ!


4・24
なんと、とてもうれしい再会?
まで、言っていませんが、
教え子の子どもを教えます。

30年前の教え子
小学校の5・6年を教えたクラスの男の子
私と相思相愛、一番のワンパクで、
おもしろくて、いつも笑っていた子。
その子と同じ名前の女の子。
顔の輪郭がそっくりだし、
たぶんそうかなあ???と思っていたら、
彼女が授業あとに、教卓に来て、
旧姓を言い、先生でしょ?
お父さん、教えてもらったよね・・・・

すぐにわかりました。
あと数年で、学校を去るつもりですが、
その間際に、教え子の子どもたちを
教えられるなんて、こんなうれしいことはありません。

もう、おじさんになっているはず。
いつか会えることを楽しみに。




4・20
1年生たちは、すぐに慣れました。
最初の1時間目、
こんな話。
「社会好きな人?
 社会嫌いな人?
 大丈夫、社会科好きにしてみせるよ」
「今年3月の卒業した女の子に、
 手紙をもらったの。
 そこに書いてあった。
 すっかり忘れていたけど、
 その子たちに1年生の時、
 社会科が嫌いでも、好きにして見せると,言ったんだって
 そしたら、その子は、信じていなかったんだって。
 それが、卒業する時には好きになっていた。
 ありがとうございましたって」
とてもノリの良いクラスでは、拍手をしたり、
いたずらっ子のクラスでは、
最初は信用なかったんだ…なんて陰口も・・・。

でも、そのあと、地図ゲーム
「まず、見つけたら、指さして、立つんだよ」
「さあ、第一問:日本…どのページでもいいから見つけて指さして」
「次に第二問:…私たちの市」
「そして第三問:、生まれた県」
「次に南極大陸」
「次に北極・・・」
とやっていくと、みんな楽しそうにキャーキャー
「わからない人がいたら、教える、チームワーク、
 思いやり、教え合うのが大事なんだから・・・」

さて、チャイムの直前に聞きます。
「さあ、社会科好きになった人?」
・・・・3~4人が必ず手を上げます。
「ほら、私は魔法が使えるんだよ!!!」

手練手管で、中学生の心をつかみ、
手のひらに乗っけられるようになりました。
うまいでしょう?
中学生は、とにかく楽しいのが好きなのです。


4・19
もう、2週間たちました。
ようやく授業が始まり、
自己紹介で、
「優子」を何と読む?
そう、優しい先生なんだけど、コラ~~~!!
と(びっくりさせて)怒る時がある・・・・
そうやって、話し始めると、
今年も、授業が始まったなあ、
新しい子どもたちの出会いが、始まったなあと、
感慨深く思います。

今年は1年生。
担任している子どもたちは32名。
かわいいかわいい中一です。

保護者会で、
「あまりにも、かわいくて、とても好きになりました」
「私も、笑顔になってしまうくらいかわいいですね」

「お母さんたち、大丈夫です
3月に卒業した男子も2年の時は
『ああ、おばさん先生か』とか言ってましたけど、
卒業式には、I Love YOU.と書いて、卒業していきましたから
中学生の心をつかむの得意ですから~」
とまで言えるようになり、
毎日が楽しく、でも、あまりの忙しさに、
疲れ果てているところです。

5月合宿研究会
今年は4月28日29日です。
お会いしましょう。



4・5
クラス編成をした後、
誰が、どこを受け持つか、
担任を学年構成メンバーで決めます。
その、決め方は、学年のカラーがとてもよく出ます。

チームワークがいい学年なら、
自分の気に入ったクラスを作ったり、選んだりしません。
若い先生や子育て中の女性の先生は
なるべく中でも、大変そうではないクラスに
みんなで推薦します。
まず、一番最初に、
構成メンバーを均等に平等に分けて、
クラス編成をします。
その上で、サジェスチョン。

でも、私とベテラン二人は、
どこでもいいよと、最後まで待ちます。

私など、「どのクラスでもどんと来いだ!」
なんて、大見えを切ります。
それは、もう、ひたすら、
私を育ててくれた子どもたちからもらった自信。

荒れ果てた学校、暴力のはびこる教室、
そういう中で、懸命にがんばってきたご褒美。
その自信で、よーし、やってやろうと
勇気が湧いてくるのです。
カードを見ていると、子どもたちのかわいい
まだ幼い顔がたくさん浮かぶようで、
うれしくなるのです。
今まで、私を育ててくれた
40人×7年、200人×16年くらい
全部で3500人以上の子どもたちに感謝感謝です。

4・4
始まりました。
今年は1年生の担任です。
あと、何年できるか、できれば、
三年間受け持って、また、
社会科好き、
世界が見えて、平和な未来を作っていきたい・・・
そんな子どもたちを育てたい、
それが私ができるプロとしての仕事です。
自信を持って、育っていけるように、
社会にも貢献できて幸せになれる力を持った、
おとなに育っていけるよう
サポートしたいと思います。
ぜひ、がんばろう、気力で勝負です。




2019・3学期

March



3・28
三年間の結果の、子どもたちの感想べージを作ることにしました。
こういう感想をもらえたらいいんじゃないかな?
社会科を「わかる」と言えるようになることが、
社会認識なのではないかと思います。

新たなページを作って、みますので
皆さんも考えてみてください。

子どもたちが書いているのは、
深くわかる
その時代の人々の気持ちが想像できた
今につながっていることがわかる
これからも知っていきたい
勉強をがんばって世界とつながりたい

こういう感想は
勉強しなくては得られない感想。
自分が勉強した、わかるようになった、
そういう誇りが、こういう感想の言葉になっていったのだと思います。
そのあとで、述べられる感謝の言葉、
それは、心から、わかるようにさせてくれた
授業者への気持ちだと思い、
あえて、載せています。
自慢のように受け取れるでしょうけれど、
彼らの素直な気持ちをそのまま載せたいと思いました。

こちらこそ、いろいろと
教師として、わからせてくれた子どもたちとして、
宝物のように思い、とても感謝しています。
ありがとう。



人間の歴史の授業を創る会

連絡先・事務局
〒340-0802
埼玉県八潮市
    鶴ヶ曽根824-7
       川上泉 方

TEL(FAX): 048-945-0651