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ものづくりの授業のページ・・・もっとくわしく

綿から糸を紡ぐ授業(布は何から?)・・2時間

@子どもたちの感想
      ・糸を紡ぐのは、とてもむずかしかったです。
       一回ワタが固まっちゃうと、糸が太くなっちゃって、大変でした。
       細くできた時は、うれしかった。昔の人々の技術はすごいなあ…と思いました。
                       (中2 なつこさん)

 Aねらい
      ・布が繊維からできていることを、驚きをもって知る。
      ・綿花から糸ができることを実感する。
      ・今も昔も、衣類の重要な原料として、綿花が使われていることを知る。


B準備

ガーゼかさらし

一人当たり5センチ角に切った物1枚。

綿花

栽培するのが一番。生花店でも手に入る

ふとんわた

布団屋さんで売っている

紡錘車

糸をつむぐ道具
コツがある。













      ・綿花から紡ぐこともできるし、「わた」から紡ぐこともできる。
      ・綿花は、本来であれば栽培するのが一番だが、クリスマスの時期に、生花店で手に入る。
      ・「わた」の方が繊維がそろえられていて、扱いやすい。
      ・薬局で売っている脱脂綿ではできない。
      ・糸を作るためのワタは、「ふとんわた」と言って、売っている。
      ・綿花とふとんわたと、両方用意できると理想的。
      ・布を分解して繊維を見つけるために、ガーゼかさらしを5p角に切った物を、人数分用意する。
      ・分解した糸と繊維を張るための黒の色画用紙を5p角に切った物を人数分用意。
      ・もう一つ、できた糸を巻きつけて各自ノートに貼るために、黒の色画用紙を5センチ角に
       切った物を、もう1枚、人数分用意。
      ・長く作った糸を巻きつけるために、わりばし(丸箸)を用意。
      ・紡錘車を、一人1本用意する。

 C注意・ポイント
      ・ワタを紡ぐとき、あきてきた子たちが、ワタの繊維を教室中にふりまいたりする時もあるが、
       これだけは、強く注意する。ぜんそくの子どもたちを誘発させる可能性もあるので、注意し、
       教室の換気を十分に行う。
      ・ここでは、布と、繊維についても触れて授業してあるが、いろいろな場合に合わせて、
       糸を紡ぐことを中心にすえてもいい。ただ、糸を紡ぐのに、夢中になるので、糸車を使わずに、
       手で紡ぐだけとしても、1時間は必要になる。
      ・子どもたちは、「わた」を渡すと、自然に繊維をねじって、糸を作ってしまう。
      ・自然発生的に、楽しみながら、糸を作っていくのを、そのまま体験させてもいい。
      ・しかし、長くて、丈夫な糸を作るには、コツと技術が必要。そうでないと、すぐに
       撚りが戻って切れてしまう。
      ・コツは、糸の最初の端を、固定しておくこと。(端を持った左手を離さないとか、足の膝の
       間にはさんでおくとか、セロテープで机に止めるとか)撚りが戻らないようにすることが大事。
      ・紡錘車の場合には、模範演技の先生の練習も大事。(毎日練習するとうまくなる)
      ・紡錘車のコツは、糸を引き出す時は、そっと優しく、わたの量は少しだけにして引っ張る。
       切れそうになる手前の短い長さが良い。初級の人は回転も机の上でやると糸が切れない。
      ・太い糸をぶつぶつ作って、切れてしまうという子どもたちには、その切れた糸をつなげて
       やることもできる。切れた糸の端をねじれを逆にし、ほどき、他の切れた糸の端もねじれを
       ほどいて両方からませれば、一本になる。苦手だという子どもたちに、どう手立てをするかが、
       成功の成否につながる。
       

 D糸の紡ぎ方

繊維を取り出す

ガーゼかさらしをほぐして繊維を取る。

繊維をねじる

指で撚りをかけてねじる。

長く糸を紡ぐ

手で糸を紡ぐ場合、膝の間に端をはさむ

紡錘車で紡ぐ

糸の引き出し方が
一番難しい












 手で糸紡ぎ実演

 

 紡錘車で糸紡ぎ実演

 
 

 参考:糸車で糸紡ぎ実演





 
 E授業の流れ(2時間必要。1時間ずつ2回でもOK。)

分  発問  子どもの活動  教具・資料 
 20
















































10分



















30分





















10分

























30分















今日は、まず、布が、何からできているのか、調べてみようね。

ここに、布があります。
よくわかるように、薄い布を持ってきました。
これを分解して、布の一番のもとを探してほしいんだけどな。


まず、そうっと、端から出ているものを引っ張ってみて・・・(と、糸を引っ張って見せる)





そうそう、糸が出てきたね
みんなできたかな
糸は取れた?
(できないというこのところに行ってアドバイス
 する)
誰かが言ったように、でも、まだ、布の一番もとじゃないんだよね
さて、まだ分解できるかな?

そうそう、そのフワフワの、風で飛んで行ってしまいそうなほど、細くて小さくて物、これを繊維というんだよ。これが、布の一番もとです。
周りの人で、まだ見つけられてない人のを手伝ってあげて?(ここまでは全員で来たかどうか、見
て回って確認する)

さて、布のもとが何からか分かったところで、今度は、もう一回糸に戻してくれるかな?



そうそう、このせんいを、くっつけ合わせて、ねじればいいんだよね。ちょっとつばをつけると、
きたなくていやっていう人もいるけど、湿気があると、ねじる時、ねじりやすいんだよ。


じゃあ、ここまで勉強した物を、この紙(黒い紙)に貼って、ノートに貼ろうね


さっき、もっと作りたいと言った人がいたけど、
もっともっと、糸を作ってみようか

じゃあ、ここに、ほんとの糸のもとがあります。
綿花っていう植物の実です。

これは、よくワタって言われるものです。
これは、実、そのものだけど、きれいにするとこういう物が売ってるよ。

じゃあ、綿花の実をほぐして、繊維を見てみよう
まず、中に種があるから、全部取ってもらおうか

種は、全部取ってね
種のまわりの毛みたいなものも、全部むしって取っていいよ。これも繊維なの。
種はね、そこに置いておいて、あとで集めます。

種が全部とれたら、この繊維をねじって糸を作ってみよう。
最初に、私が見本を見せますから、みんな、よく見ててね。
親指と人差し指の間にはさんでねじります。
ほら、次々と糸ができてくるでしょう。


長くなったら、まず、最初の糸の作り始めを、
どこかにはさむ。例えば、机の上において、筆箱で押さえるとか
もっと長くなったら、膝と膝の間にはさむとか、
一番大事なことは最初の糸の始まりを、手で放しちゃいけないっていうこと。そうしないと、糸のねじりが元に戻って、すぐ切れてしまうから気を付けてね。じゃあ、やってみようか。
みんなは、初めてだから、太くても、短くても、全然気にしなくていいんだよ。最初だから、それは、いろいろ試してみることが大切ね。


(2時間にする場合は、一旦ここで区切る)
(20分近く実習。楽しむ)




さて、ずいぶん長くできるようになったけど、それでも、着る物を作るには、糸が足りないよね。
どんどん長く長く糸を作らなければなりません。
その時、最初に発明されたのが、この道具。
紡錘車です。これを使って、今度は糸を作ってみよう。
ちょっと一旦止めて、また、使い方の説明を聞いて。
これは、長い糸を作り、巻きつけておく道具です
まず、この棒の先端に、フックがついているから
ワタを軽くひっかけます。そして、いつも同じ方向にこの紡錘車を回します。そうすると、みんながつばをつけてねじっていたことを、この道具がやってくれるのね。そして、十分ねじれたら、今度は、またワタを少しそうっと引っ張る。その時一番切れないために大切なことは、紡錘車を回す前に、ワタと、ねじる糸の境目を、左手の親指と人差し指で、しっかりおさえること。そして、押さえてから回す、そして、引っ張る、そして押さえる、まわす、引っ張る・・・・こうして長い糸になったら、今度は紡錘車の棒に、巻きつけます
こうやってね
そして、またフックに糸をひっかけて、ワタから引っ張る、押さえる、回す、・・・の繰り返し

コツはね、左手で、優しくワタを握ることだよ。
じゃあ、やってみようか


(子どもたちは、あくまで手で紡ごうとする子どもと、紡錘車を使おうとする子どもと、わかれるが、それは無理強いしないで、楽しませる。
不器用だから、できないとすぐ放りだす子が必ず出るので、太くてもいいことを言い、コツを伝授する。時にはひげや、カツラのようにワタで遊ぶ子も出るが、ほとんどの子は集中できるので、大目に見ながら、アドバイスしたり、励ましたり・・・でも、最低10センチくらいの糸ができるように指導する)
注・・・ただし、ワタの繊維を振りまきすぎるとぜんそくの子どもたちには厳しいことになるので注意が必要。

できた糸を、もう一枚黒い紙をあげるから、それに巻きつけて記念にしようね。
後片づけして、終わりにしよう
・わた?
・羊の毛じゃない?
・化学繊維だよ


・分解?
・バラバラにするの?
・できないよ
・引っ張ればいいの?

・あっ 出てきたよ。
・これ、糸じゃない?
・わかったよ、布のもとは糸 だ
・ねえ、まだ、糸も分解でき るよ
・もしかしたら、布のもとっ て糸?

・先生!、まだぼくできない

・このふわふわのなあに?
・もしかしてこれ?
・これじゃない?

・せんい?
・出てきたよ


・できた
・できた、私も。

・ええっ〜!!!
・どうやればいいの?
・あっ、できたよ
・どうしたの?

・できたよ


・糸ってこうしてできるの?
・うん、もっともっと作り
 たい。
(黒の色画用紙には、ガーゼ から分解した糸と繊維を貼 る)



・わた?
・ふわふわ
・私見たことある

・ワタだ。
・きれいだね


・種があるの?
・ほんとだ、ごつごつしてる
・むいていいの?
・まだ入ってるよ。
・種はどうするの?





・すごい
・細い糸だ
・長くなったらどうするの?
(作り方の説明の時は、全員注目させて聞かせる)





(そうは言っても、必ず糸の端を離してしまって切れてしまう子どもが多数だけれど、糸作りを楽しむ方を主眼にして、いちいちとがめないようにする)

・先生! ほらみて、上手でしょ
・先生!こんなに長くなった
 よ



















・すご〜い
(細い糸が、魔法のように引き出されるのを見ると、子どもたちは自然に拍手をしてくれます)


・やりたい
・やりたい
・難しそう
・とても、できないかも
・できるかな






・先生!できた
・太くて、すぐ切れちゃう
・○○ちゃん、すごく上手
 だね
・先生、すごいうまい人が いるよ


 
ガーゼかさらしを、
5p角に切った物
40枚
(もし、できれば、赤ちゃんの時の肌着やおむつなら、ガーゼやさらしの木綿でできているので、見本としても見せるだけで、うれしい)

































黒い色画用紙を、5p角に切った物
40枚
セロハンテープ




綿花を1班に1個ずつで6個は、必要
ふとんわた
























































紡錘車40個


ふとんワタは、繊維がそろっているので糸を作りやすい。
糸は、少しずつちぎっておくとよい












黒い色画用紙、もう1枚ずつ



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